さる12日、一ツ瀬川漁協(田中寛組合長、組合員688名))が本年度の稚アユの放流を開始しました。今年は合計で約1,6トンの放流を計画しており、5月までに8回に分けて実施する予定とのことです。
宮日新聞切抜きをどうぞ 一ツ瀬アユ放流
大淀川や加江田川、川内川等でも16日から夫々の内水面漁協が県や市町村、(財)内水面振興センターの委託や助成を受けて稚アユの放流を開始しています。昨年度は、この時期に県内各地で異常渇水状態が続きアユにとっては受難の年でしたが、今年は良好な環境の中で大きく成長して欲しいですね。
各河川での放流状況の一部です。
須木漁協、本庄川 馬穴リレーもいといません
須木支所下の河川プールの上流域
宮崎内水面、市役所下 岸沿いに群がって、いざ上らん
大淀第一 天満橋橋脚下で
国富漁協 三名川
皆様、お疲れ様でした。
大淀川水系で本年度初の稚アユの放流が始まりました。高岡川漁協(宮田信男組合長、組合員373名)管内において、町内の中村養魚場で生産された8~10gサイズの稚魚約630kgを放ちました。
(財)内水面振興センター(西田二朗理事長)委託分120kg、市助成分77kgも含まれており、市高岡支所の担当や漁協役職員10名余が立ち会う中、本流4ケ所と浦之名川、境川の各支流に1ヶ所の計6箇所で、先般の「爆弾低気圧」の影響もあり水量も多く少し濁りりは残っていましたが、ピチピチの若鮎が元気良く上流に向け遡上していきました。
県内の五ヶ瀬川、耳川水系他でも本年度の放流が一斉に始まっており、太公望期待の6月1日の解禁(耳川、北川水系ではアユの成長具合を見ながらという事で例年約1週間程度遅れる予定です。)が待たれます。
皆さん、お疲れ様でした。
本県のシラスウナギ特別採捕も3月上旬で終了し、約250kgと3年連続しての不漁が続きました。業界新聞等の情報によると42業者で県外、国外産含めて約2,4トン弱が池入れされており、昨年に比較して約80%程度とのことです。
ウナギ資源の枯渇も懸念されており、大学等でも調査を進める中、シラスウナギの遡上時期の遅れもいわれてます。 また、県シラスウナギ需給調整対策協議会や本連合会役員会等でも親ウナギの採捕規制等 資源保護対策の一環として今後、協議するべきとの方向も出されております。 水産庁も22日に業界、研究機関、自治体等関係者を招集して総合的な対策を検討すべく動き始めました。
宮日新聞関連記事切抜きをどうぞ
ウナギ遡上夏に ウナギ遡上ー2
ウナギ規制 ウナギ対策会議
金丸井堰の魚道改修については、昨年度に最上段の越流部の剥離流の解消と、入水口域の河床増加等の事業を実施しました。
金丸堰 堰板から水面までは50~60cmの高低差があり、ジャンプしてもなかなかでした。
自然石をコンクリートで固めながら積上げて行き完成です。稚アユの遡上も上々でした。
今年度は、丸太製の堰を鋼製(どぶ漬け)にして耐久性を向上させ、上側半分を20cm幅で2段として水量を調整できるように作成しました。。
縄梯子型魚道を引っ掛けるフック 、上半分側2段が取り外し可能
通常は左岸側(写真右側)の上1段を外して使用
通水後、4月の稚アユ遡上時期を待ちましょう。 合せて、越流水の量に対応して、取り外しが容易な縄梯子形の簡易魚道*を後付することで稚アユの遡上効果をさらに向上させる 予定です。
* 縄梯子ー1 縄梯子魚道
延岡市街に、江戸時代から300年以上続く伝統の漁法「鮎やな」の存続に向け、観光協会など商工6団体が市議会や市役所に予算措置等の支援について陳情を行っています。
昨年の秋には、架設後直ぐに大雨による増水で「やな」が流される等大きな被害を受けております。街中で銀輪躍らせる鮎の姿と伝統漁法が見られるという事で全国的な観光スポットになっており、是非とも残して欲しい県民の財産ですね。
宮日新聞切抜きをどうぞ 延岡やなー1 延岡やなー2
2月21日、都農町を流れる名貫川の河川工作物や農業用頭首工、井堰等の調査を、水産試験場小林分場、南九州水圏生物研究所(代表岩田一夫氏)と合同で実施しました。
都農町産業振興課、建設課の協力もいただき管理台帳をチェックしながら計10箇所の工作物等の概要実態を調査しました。 町管理以外の高さ5m程度の規模の大きな砂防ダム(土木事務所管理)から数10cmの平堰タイプまで様々な形でした。 また魚道を備えた物からそうでない物、農閑期でも堰板がはめられたままの物、老朽化し洪水などで流失した物等々でした。
水産動物への影響もかなり大きいのではと思います。 一部写真をどうぞ
支流の袋谷川(尾鈴川)の砂防堰堤・・・下流域は自然石を組み込んで高低差が生じないよう段差を小さくしており、魚達には優しそうです。
しかし、最後の放水部の高さは約4mで魚道はありません。
轟渕橋下の農業用水井堰・・・農閑期でも堰板が設置されたまま
和田橋下の砂防堰堤・・・手前の悪い魚道と行程を長くして改善された良い魚道
下流の農業用井堰には横付け型で5段の梯子型魚道が設置されており、県内でも珍しいタイプのものです。
堰板が設置されたままです。
左岸側の農業用水路部から本流に一部排水されており、手前部分は天然石を並べてスロープをつくり剥離(はくり)流を減少させています。「水辺の小技」ですね。
自然石を積上げて設置、増水のためか中間で破損されています。
本当に様々なタイプですね。
2月17日、18日に都城市の浄化センター「清流館」で河川浄化活動等に携わる人材育成を目的とした「大淀川環境大学」(都城大淀川サミット;枩下信芳会長)が開催されました。会員約30名が参加し、グループ10団体によるホタルの保護やクリーン作戦等の活動報告がありました。
また、都城淡水漁協の祝田専務による伝統漁法である「芝漬け」や投網等の紹介や実演もあり、様々な団体が連携しながらの河川環境保全、資源保護の活動が広まりを見せております。
宮日新聞切抜きをどうぞ 都城環境大学
H23年度の補助事業である河川流域振興活動実践事業の実績がまとまりました。 この事業は水産庁、全国内水面漁業連合会等の補助を受けて実施しています。 地域住民や内水面の利用者に対し、水産資源の保護や河川環境の保全、適正な活用等について漁協が実践活動や普及啓発を行うものです。
資料のとおり、延べ36漁協、2団体が稚魚の放流等の体験学習、釣り教室・釣り大会、河川清掃活動などの各種イベントを開催し、小学生や父兄、先生を主体に約4400人の多くの皆さんが参加していただいております。
内水面漁協の活動や水産生物の生態、漁具漁法、川にまつわる様々な話等を提供しながら 「将来の河川のあるべき姿」について 一緒に考えていただいております。
なお、放流用のウナギやアユの稚魚は、(財)宮崎県内水面振興センターから提供いただいております。
23流域振興実践活動実績
2月13日、えびの市の京町温泉EM研究会(永友隆雄会長、会員73名)の皆さんが、地区内排水路での水質調査を実施されました。
同会は、昨年7月ニ設立され、EM(有用微生物群)団子約1万個を排水路に投入し、河川環境の向上に頑張っておられます。公民館活動の一環という事ですが、小さな一歩づつの活動が大切であり、有難い事ですね。
宮日新聞をどうぞ EM団子えびの
連続で2月14日、読売新聞にシラスウナギ不漁の記事が出ました。3年目の大不漁でシラスの採捕量が昨年の6割程度とのことです。 資源減少の明確な理由は不明であり、生産者、卸問屋、蒲焼店、輸入業界等関係者の危機感が募っております。
読売記事をどうぞ ウナギ不漁読売
自由民主党の水産部会、養鰻振興議員合同会議で、養鰻業界等から鰻資源保護の施策、金融対策、共済制度の確立等緊急要望がなされ、政府でも協議が始まりました。
本県でも、シラスウナギ協議会から特別採捕許可の期間延長の要望もありました。内水面漁協を含む関係者によるシラスウナギ需給調整対策協議会にて論議され、3月下旬での採捕見込みは非常に少なく、資源保護の観点からの意見が強く出され、延長しないとのことで県に報告したところです。