◆遊漁についての様々な決まり
公共のために使われている河川や湖沼は国民全体の共有財産です。しかし、そこで魚を採捕する場合は、漁業の場合も遊漁の場合も含めて、漁業法と水産資源保護法、そしてこの法律に基づいて定められている漁業調整規則等の決まりを守らなければなりません。
これらの決まりは、魚を採捕するための漁具・漁法、あるいは小さな魚や産卵期の魚を採捕しないように期間や場所に様々な制限や禁止を設けています。
1、漁業法
漁業生産についての基本となる制度であり、漁場の利用や水産資源の保護、培養を図るため等の大まかなことを定めた法律です。漁業者が漁業を営む権利である漁業権などについては、漁業法で定められており、関連する漁業調整規則や漁場管理委員会指示、遊漁規則等の根拠となっています。
<漁業権>
県内には、特定の水面において排他的に漁業を営む権利である漁業権を設定している河川や湖沼が31箇所あり、それぞれ関係する内水面漁協に対して県知事が免許をしています。また、免許を受けた漁協は、稚魚の放流や産卵場の造成などの方法で資源を増殖することが義務付けられ、漁業や漁場の管理をしています。
2、水産資源保護法
水産資源の保護、培養を図り、その効果を将来にわたって維持することにより、漁業の発展に役立つことを目的としています。
水産動植物に有害なものを捨てたり漏らしたりすることの禁止や保護水面の設定など、水産資源保護のための措置や水産動植物の採捕に関する規制等の根拠を定めています。
3、宮崎県漁業調整規則
県内の河川や湖沼で行われる水産動植物の採捕について、水産資源の保護
培養、漁業取締や調整を進めていきながら、あわせて漁業の秩序を保っていくことを目的としています。
この規則では、使用する漁具・漁法によっては県知事の許可が必要な場合や採捕してもいい大きさや期間、場所、使っていい漁具・漁法など、様々な必要事項を県が定めています。
4、宮崎県内水面漁場管理委員会指示
漁業法に基づき、水産動植物の繁殖保護や漁場利用の紛争防止など漁業調整に関係して知事の諮問機関として、内水面漁場管理委員会が設置されています。委員の定数は10名で、漁業者、遊漁者、学識経験者等を代表する者の中から、知事が選任します。
内水面漁場管理委員会では、漁場利用や漁業調整の円滑化、水産資源の保護、培養などを図るため、水産動植物の採捕に関する漁具や漁法、場所、期間の制限や禁止等について様々な指示を出します。
宮崎県では、
・毎年、魚種ごとに放流しなければならない義務放流の数量(別添一覧表)
・コイのKHV症が広がるのを防ぐ対策としての移動の制限
(一ツ瀬川、大淀川、五十鈴川、川内川、耳川、小丸川水系、一部水系ではダムの下流域のみ)
・五ヶ瀬川、小丸川、石崎川河口域は「すくい網」の大きさ、目合い、期間や操業時間等の制限
・「刺網やアユやな」について使用できる数や長さ、期間、場所の制限
・「かご」は、1人が3個以内とし、12月1日~翌6月30日まで禁止
等々が指示されています。
5、遊漁規則
内水面の共同漁業権が設定されている区域では、各河川や水系ごとに漁協の組合員以外の方が採捕する場合の様々な決まりを遊漁規則として定めています。このような区域内で遊漁を行う際は、漁協や指定店、漁場監視員から遊漁証(遊漁券)の発行を受けたうえで、遊漁規則に定められたルールに従って行わなければなりません。
遊漁規則(漁具漁法、期間、場所、遊漁料金、納入方法等を含む)については、漁協が組合員に対して定められている決まり以上に遊漁者に対して厳しい条件をつけないように、内水面漁場管理委員会の意見を聞いて、知事が認可することとなっています。
「 採捕 」って どういうこと?
漁業法関係の法律、規則でいう『採捕』とは、自然の状態にある水産動植物を採取して捕獲する『行為』のことをいいます。たとえば、1尾も釣れなくても『釣る』あるいは『釣ろうとする』行為そのものが『採捕』にあたります。
◆宮崎県のきまり(宮崎県漁業調整規則)
宮崎県では、水産資源を守るため、次のようなきまりが定められています。
- 水産動植物に有害な物を棄てたり漏らしたりして水を汚してはいけません。(第24条)
- 捕ってはいけない期間 (第26条)
・ア ユ 1月1日~5月31日
・ウグイ(イダ)3月1日~4月30日
・ヤマメ 10月1日~2月 末日
・ハマグリ 7月1日~9月30日
・ニジマス 2月1日~3月31日
- 捕ってはいけない魚の大きさなど (第27条)
・ニジマス、ヤマメ(全長15cm以下)
・ウナギ (全長25cm以下)
・コイ、ボラ (全長10cm以下)
・ハマグリ (殻長 6cm以下)
・スッポン (外殻長10cm以下)
・ヤマメ、ニジマス、スッポンの卵
- 禁止されている漁具や漁法 (第28条)
・潜水器を使用する漁法
・アユを目的に火光や照明を使用する漁法
・水中に電流を通じて行う漁法
・「金だらい」または「びん」を使用する漁法
15cmにつき11節以上の細目の網(はやを目的とする場合と手たもを除く)
・蚊針( 3月1日~5月31日の間 ) 等
- 禁止している漁具、漁法、区域や期間 (第29条、第30条)
全ての河川で周年、堰堤の上流50mから下流200mまでの区において採補を禁止しています。また、それぞれの河川の一定区域内では、魚を捕ってはいけないとか、使ってはいけない漁具や漁法、捕ってはいけない期間等の様々な制限があります。
*関係する漁業協同組合や漁場監視員、または、遊漁承認証(鑑札)を売っている指定店でお聞きください。
- ブラックバス、ブルーギル等の外来種については「外来生物法」(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に係る法律)で、「入れない」「捨てない」「拡げない」を基本として、様々な規制があります。
◆水産資源を守るために
河川や湖では、稚魚(魚のこども)を放流したり産卵場を保護したりしなければ、魚は減る一方で漁場は次第に荒れてきます。 河川の漁業協同組合では、毎年稚魚を放流したり、産卵場を保護したり、また魚の住みやすい場所を作ったりして、魚を増やすためにいろいろ努力しております。
放流している主な稚魚など
アユ、ウナギ、ヤマメ、フナ、ニジマス、オイカワ、シジミ、モクズガニです。
* 放流する大きさも決められています。
* コイは,KHV症の防疫対策のため現在放流を休止しています。
そのほか、外来魚であるブラックバスやカワウの食害防止のための駆除、あるいはアユの産卵場の造成、釣り教室や釣り大会、体験学習や河川清掃など漁場を整備したり管理したりするいろいろな仕事をしています。
これらの費用は漁協の組合員や遊漁者の方々から負担していただいておりますが、そのほか、国、県や市町村、九電などからも助成してもらっています。
◆遊漁をされる皆さんへのお願い!
漁業権が設けられている河川や湖で釣りなどをする場合には、漁業協同組合が発行する遊漁承認証(鑑札)が必要です。漁業協同組合、漁場監視員あるいは遊漁承認証を売っているところでお買いになり、必ず携帯してください。
遊漁される方が守らなければならない様々な「きまり」がありますので、関係する漁業協同組合や漁場監視員あるいは遊漁承認証を売っている指定店でよくお聞きください。
皆さんからいただいた遊漁料は、翌年度の放流の稚魚代等として資源保護のために有効に使っております。
また、一部の漁協では電子遊漁券での販売もしていますので次のサイトで確認してください。
フィッシュパス:TOPページ - FISHPASS(フィッシュパス)
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釣り場でのお願い
○ 危険な場所での釣りはやめましょう。
○ 小さい魚を釣ったときは川へもどしましょう。
○ 折れたハリや切れたテグスは、危険ですから必ず持ち帰りましょう。
○ 弁当の空箱や空カン等のゴミは必ず持ち帰りましょう。
◆河川や湖をきれいにしよう!!
宮崎県は豊かな自然に恵まれ、漁業生産の場として、あるいは皆さんに安らぎと潤いをもたらす空間であり、釣りや川遊びなどレクリェーションの場として親しまれております。自然は私達にとってかけがえのない財産です。子孫に残すために皆で守りましょう。
○ 川や湖に汚ない水を流したり、空カンやゴミを捨てたりしますと、美しい川や湖もやがては汚なくなり、魚も棲めなくなります。
○ 一たん汚れた川や湖を元どおりにするには、気の遠くなるような時間と労力が必要となります。
○ 川や湖をいつまでもきれいに保つためには、一人一人の心がけが是非必要なのです。