先日の国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト掲載記事等に続いて、宮日新聞社説でウナギ資源回復等に関する課題が掲載されました。
県北河川の3地域で、ウナギ等を含め水生生物の棲みかとなる伝統漁法である「石倉」の造成事業への取組みが始まっています。
全国的、世界的な規制や対策を含め日本独特の食文化、消費者の認識等、オールラウンドで効果ある施策が必要であるとしています。
「内水面の振興に関連する法律」(仮称)案も今国会に提案されており、内水面業界、養鰻業界も合わせて抜本的な対応が迫られています。
宮日切り抜きをどうぞ ウナギ回復社説
日南市の広渡川に伝わる伝統漁法の「ノボリコ漁」が、霧島酒造(都城市)の企画である「うまいものはうまい」(宮崎日日新聞掲載)コーナーで紹介されました。
日南広渡川漁協(戸田博組合長)や同保存会の皆さんが、4月から6月の漁期に合わせて、県博物館による体験学習会の開催や日南市の郷土料理として長く後世に伝え、保存して行くことに努力されています。
宮日切り抜きをどうぞ 日南ノボリコ
本会のHP(26・5・14日版)もどうぞ
去る6月6日(火)、宮崎市内の「ひまわり荘」において、本連合会の第62回通常総会を開催しました。県農政水産部の山田卓郎水産次長、成原淳一水産政策課長、内水面振興センターの関屋朝裕理事長他のご来賓にご出席をいただきました。
延岡市の湯川建設(株)様、日新興業(株)様、綾町建友会町の許斐建設(株)様に内水面の環境保全活動や様々なイベントへの協力に対し感謝状を贈呈しました。
代理人、書面議決を含め37会員の出席により、提案8議題の全てが承認されました。 委託放流事業やカワウ・バスの被害防止、産卵場の造成や魚道の改修、漁協組織の充実強化等に関連する幅広い業務の実績と計画、財務諸表による連合会の財務状況、決算、剰余金処分案、予算案他を審議しました。
昨年のウナギ資源保護策として10月から半年間の採捕規制に続き、アユ資源についても一歩進んだ対策を検討する方向で進みます。
また、「内水面の多面的な機能発揮対策」で一部漁協による餌料生物やウナギ資源等の再生を目指した伝統漁法「石倉」造成事業が新たに取り組まれます。
主要実績・計画概要をどうぞ 26主要計画 単協一覧・月間
体験写真 25活動実績
県内の大部分の河川で、6月1日、太公望がお待ちかねのアユ漁が解禁となりました。 県北部の北川と耳川水系では、アユの成長具合も見ながらということで、6月10日から、五ヶ瀬川水系は稚アユの遡上数も減少していることから15日から解禁となりました。 一部、支流の日之影川では7月1日の解禁予定です。
県内、九州管内から多くの釣り人が竿をたらしながら若アユとの格闘を演じています。今年は、梅雨入り発表と同時に豪雨があり影響が懸念されますが、夏から秋に向けての雨や濁水など等の影響ができるだけ発生しないことを祈りながら期待しましょう。
宮日新聞切抜きをどうぞ アユ解禁五ヶ瀬
ついにニホンウナギが、昨年の日本版レッドリスト(環境省)に続き国際機関の自然保護連合(IUCN)からも絶滅危惧種の指定を受けました。
ヨーロッパウナギと同様に東アジア、日本を含めた世界規模での様々な資源保護・管理に向けた対策が急がれます。 さらに今後は、ワシントン条約による国際取引の規制の動き等が活発化することが予想されます。
ウナギを食文化として大量に消費する日本では、各国に先駆けた対応が全世界から注目を浴びることになり、クジラやクロマグロ等の轍を踏まない様に関係団体、行政が一致団結して前進あるのみですね。
宮日新聞切り抜きをどうぞ うなぎ絶滅 ウナギ絶滅ー2 うなぎ食文化
6月18日付け宮日くろしお欄で、絶滅危惧種指定について世界のウナギの7割を消費する日本人の「肝(きも)」の太さが問われました。
切り抜きどうぞ ウナギくろしお欄
梅雨時期の合間を縫ってひと時の青空が・・・・逃すまいぞとばかりに、6月13日、一ツ瀬川漁協(田中寛組合長)が オイカワの産卵床造成に取り掛かりました。
県漁場管理委員会の指示が出されている義務放流の代替として約100㎡を本流、支流の5ケ所に区分し、理事、監事さん5名の参加により実施します。近年はオイカワの放流用種苗がなかなか入手できないため、代わりの方法として人工の産卵場を作ることで資源の再生、増殖を目指して、漁協の皆さんは頑張っております。
水温は、雨上がりとダムの放水も若干影響してか18℃とオイカワさんの産卵にはやや低めかな・・・。 しかし、絶好の日和に恵まれて作業も順調に進みました。
田中組合長の挨拶と手順の説明 皆さんこの作業を5,6年も続けているベテランぞろい 水深は30~40cm 流速は20cm/秒位かな 最高の適地ですよ
慣れた手つきでジョレン、クワやテミ?を駆使しながら 管理委員会の原さんも走りながら 役に立っています
種モミ用のバットを活用 後の産卵確認用にも便利です
1~2㎝大の砂利と4,5㎝の小石を選別して 優しく産婆さんの様に そ~っと
5m×4m四方を造成 中央部を掘り込んで モミ用バットを2枚分埋め込み 完成
近くにカマツカも・・人間共もなかなかやるじゃないか 立派なもんじゃ~ 日当たりも良さそうじゃのー わしも気張ってみるか
「産卵床を作ってます。触らないでね。驚かさないでね。」…の立札も
終了後 ほ~っと一息 今年もたくさん コピィート 産んでおくれ! 皆さんお疲れ様でした。
国交省と環境省が、川の生き物を指標に水質を判定する調査結果(13年度版)を発表しました。 全国河川の2,258点のうち、59%が「きれいな水」とのことです。
宮日新聞切り抜きをどうぞ 全国水質
昨年の12月と翌1月には、大淀川の水質が改善との報道もあり、県民・市民が一体となった河川浄化活動(大淀川流域ネットワーク他)や皆さんの意識の向上が着実に図られていると感じています。
参考 大淀川改善
一方で、いにしえより「水 清ければ 魚棲まず。」の諺もある様に、全国の河川で環境基準や水質基準を満たした浄化施設からの排水で、見た目にはきれいな水ですが生き物たちが減少している事例が目立っています。
これは、生活雑排水等に含まれる残留塩素や界面活性剤(洗剤中)等の問題が法的にもきちんと整理されていないことによるものです。例えば、浄化槽法では処理水を塩素で殺菌する方法がとられており、残留塩素の検出が規定さています。
水産資源保護法、環境基本法、水質汚濁防止法等の整合性を含め、「全国内水面漁連振興大会」他でも継続して改善に向け、国に対策を要望しているところです。
人類にも生き物にも優しい環境づくりを目指して頑張りましょう。
全国第3位を誇る本県養殖ウナギの生産量が、ここ10年で最高の23年度の3,725トンに迫りそうな勢いとのことです。 シラスウナギの不漁が3~4年続いていましたが、東アジアを含めて各国計で80トン弱(5月上旬)、日本でも25トンと久々に好調な池入れがありました。 かば焼きの価格も下がり消費拡大に期待したいですね。
宮日新聞切り抜きをどうぞ ウナギ復活?
また、世界三大珍味の「キャビア」のブランド化に向けて小林市が直営の養殖場を設営し、チョウザメの魚肉需要も合わせて安定供給に挑戦します。
雌雄選別や成熟するまでの期間短縮等の技術開発も含めて課題を整理し、新規参入業者の増大を図るとのことです。
「チョウザメ・キャビア課」 頑張れ!!
宮日をどうぞ チョウザメ安定
6月19日には、チョウザメの鱗を胸章として活用している河野知事の話や新規参入業者への支援を加速化させて欲しい旨、日南市の一読者の声でした。 チョウザメ窓
去る5月の24~25日にかけて、五ヶ瀬川のアユ資源調査を五ヶ瀬川漁協他が昨年に続いて実施しました。
県北の河川(北川、五ヶ瀬川、耳川)では2,3年前から専門家である高橋勇夫先生(高知市の高橋河川生物調査事務所代表)による実態把握のための調査を実施しています。
今回の結果(速報)で昨年度や例年の結果に比べても余りにも低いものであり、漁協関係者の心配は深刻であり、関係者のみならず流域市民他も含めた協議がなされ、手遅れにならない様に早期の対策が叫ばれています。
夕刊デイリィー切り抜きをどうぞ 五ケ瀬アユ減少
昨年の耳川での結果もどうぞ 宮日新聞 耳川環境悪化 高橋先生
去る27日、「県鳥獣被害対策特命チーム」の会議が堅調で開催され、サル、シカ、イノシシによる農林作物への被害防止の各種対策が協議されました。
県内の狩猟免許所有者の減少等の課題がある中、市町村による対応が前面に出せる様な方針が示され、マイスター制度や地域リーダー等の人材の育成、確保も進められています。
宮日新聞切り抜きをどうぞ 有害鳥獣 関連して23年の記事もどうぞ 猟友会
しかし、残念ながらカワウによる水産物被害(特にアユ)については触れられておらず、内水面関係者の力不足を感じているところです。
県内では生息状況や被害額の推定等難しい点もありますが、有害鳥獣の中にカワウも指定され、市町によっては被害管理防止対策等を策定して、交付金制度も活用しながら前向きに対応しているところもあります。
全国レベルでも4月下旬には全国内水面漁連が音頭をとって一斉駆除の活動を実施し、各メディア、マスコミにおいても取り上げられました。(全国での集計被害額は約103億円とのことです。)